商品のクオリティの高さは仕込で決まる
私は製造部の中でも、アイスクリームの最初の工程とも言える原料を入れて混ぜ、冷却しエイジングする仕込の部分をメインに担当しています。原料の味覚チェックや、均一化というアイスクリームづくりで要となる乳脂肪分を分解して均等にする作業、食品製造関係で非常に重要な殺菌工程も私の業務の一つです。
実は商品のレベルの高さは、製造工程のスタート部分である仕込で決まると言っても過言ではありません。例えば仕込みの時点で砂糖や塩、香料などの分量がちょっとでも違えば、その後の商品づくりに大きな影響を及ぼします。マニュアル通りに細かな部分まで注意を払って作業を行うことが、おいしいアイスクリームづくりには欠かせないのです。
食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC22000」を取得、品質を管理
そして食品事業会社にとって大切なのは、安心・安全な商品をお客様にお届けすること。田口乳業ではアメリカで宇宙食の安全性を確保するために開発された、NASA開発のHACCPという食品衛生管理システムを取り入れています。
従来、品質管理は完成した商品の一部を検査することで安全性をチェックしていました。しかしHACCPは原料から加工、包装、出荷、消費に至るまで、全ての段階において発生する危害を想定して未然に防ぐ管理システムになっています。
また弊社では2018年4月に食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC22000」も取得。社員一同、安心・安全な商品づくりに努めています。
当たり前のことを当たり前にすることが、安心とおいしさにつながる
最先端のシステムを導入し品質管理を行っておりますが、目視など人力で商品の品質管理を行うのも我々の大事な仕事です。例えば原料の期限が切れていないか、投入するときに異物混入がないか、殺菌の工程で温度はちゃんと守られているか、エイジングでは時間と温度が守られているかなど、作業時の確認は怠りません。
毎日商品ごとにマニュアルで決められた内容で作業を進めるのですが、ミスがあってはならないので相当な集中力が求められます。日々生産する商品の内容や数量も異なるため、それに応じた臨機応変な対応も必要です。特にちょっとの分量や時間の誤差で商品の味が大幅に変わってしまうほか、最悪の場合食品衛生上の事故にもつながりかねません。
常に細心の注意が必要なため、慣れや油断は禁物だと思っています。工場の作業というと流れ作業のように思われがちですが、「当たり前のことを毎日当たり前にすること」というのが結構難しかったりするんです。
地道な作業の積み重ねも、お客様の笑顔のため
地道な作業の多いこの仕事ですが、最高品質の商品をつくりあげるためにはどれも欠けてはならないことです。これからもメンバー一丸となって日々生産体制の改善と改良を行い、最高のアイスクリームをお届けできるように邁進していきたいと思っています。
一生懸命想いを込めて作っていますので、お店で見つけたら是非お手にとってみてくださいね。
製造部 課長 有田庸司(アリタ ヨウジ)
たつの工場にて全般的な製品・品質管理などを行っています。メインはもなかライン。原料の配合や重量、色調チェックなど、日々お客様により良い商品をお届けするために万全を尽くしています。